TOEICを初めて受験した、あるいはこれから英語を本格的に勉強したいと思っている、といった、英語学習初心者の方にとって、1つの大きな壁と言えるのが
「TOEICスコア 600」
です。
日本人の平均TOEICスコアはだいたい520前後ですので、スコア600に到達すれば「英語の達人」への階段がひらける感じがします。初級者から中級者へランクアップするような感じになりますね。
このTOEICスコア600ですが、実はそれほど大きな壁ではありません。はっきり言って、一応中学や高校で英語を勉強している日本人ならば、誰でも到達できますし、到達できなければおかしいです。
では、なぜなかなか600台を出せない人が多いのかというと、TOEICの勉強の仕方、攻略方法を確立できていないか、継続的に勉強できていないかの、どちらかだと思います。
そこで、今回はまずTOEIC600レベルの実際の英語力、そこまでかかる到達時間などを紹介し、基本的な戦略について説明してみましょう。
TOEIC600の英語レベルとは
英検や大学受験との比較からみる実力
TOEIC600の実力をわかりやすく説明するときの基準として、英検との比較というものがあります。
英検の各級とTOEICのスコアを比較、対比させてみるということです。
一般的な目安はこんな感じ。
TOEICスコア600 ・・・ 英検2級(高校卒業程度・センター試験7割)
TOEICスコア730 ・・・ 英検準1級(難関大学入試レベル)
この目安は英語教材大手のアルクのデータを参考に、元予備校講師・管理人の実感などをふまえて作ってみました。
ただ、英検はそもそもスピーキングやライティングもありますし、TOEICと比べるとより実践的な検定試験です。出題される英語の内容もTOEICは基本的にビジネス英語よりということもあるので、この2つを単純に比較できるものではない、ということは理解してくださいね。
そういうことをふまえながらも、スコア600レベルとのより具体的な参考資料となるのは、上記の「センター試験」との比較。
大学受験を経験した方ならセンター試験英語は受験されていると思います。あれが非常にいい比較材料です。センター試験で7割~8割くらい取れる実力があれば、TOEICで560~630くらいのスコアになる確率が高いといえます。
要するに、高校までの英語に関しては、だいたいマスターしているという状態です。完ぺきではないところがポイント。特に社会人になってブランクのある人だと、しっかり復習しなければ忘れていることも多いので、ぶっつけ本番で受験すると難関大出身でもスコア600に到達しないこともありますよ(経験者談)。
スコア600台の実感と実力の中身
スコア600台の実力とは、
・センター試験英語で7~8割くらい得点できる
・英検準2級と同じくらいの実力
ということでだいたい説明できますが、私の経験上、試験を受けた後の実感は、まだまだ手ごたえがない感じです。リスニングやリーディングでも3割くらい落としたんじゃないか、という感想になります。自分の実感で3割落としかな?ということは、実際にはもう少し落としていることなんです。
実際にTOEICの試験を作成しているETSの出している「参考スコア範囲換算表」(公式問題集にも記載されているので参照してください)から算出すると、スコア600に必要な正答数は次の通りです。
56~60問・・・・スコア270~315 66~70問・・・・スコア280~325
60~65問・・・・スコア300~345 71~75問・・・・スコア310~355
要するに、
リスニングで6割強、リーディングで7割前後くらい、
という正答率でスコア600という数字が出るという感じですね。
これを高いハードルと取るかどうかは、自分の可処分時間や英語の得意・不得意などの要素も絡んでくるでしょうが、気になるのは到達までにかかる時間ですよね。これも一応、参考になる目安があるので紹介します。
TOEIC600到達までの時間
TOEICのスコア到達時間の目安は、イギリスの名門ケンブリッジ大学の出版局がTOEIC講師向けに作ったテキストの資料が参考になります。それがこんな感じ。
左のCurrent scoreが現状のスコア。横軸のTarget scoreが目標スコアですね。
それで、たとえば現状がスコア450だったら、左のCurennt score450のところから右側に移動して、横軸の目標スコアのところでストップ。目標スコア550だと「225」、650だと「450」という数字がありますね。
これがスコアアップにかかる所要時間、つまり「225」ということは225時間、「450」だと450時間ということ。
これを参考に「スコア600までの所要時間」を私なりにまとめると
・スコア500レベルから600まで ……… 約250時間
だいたいこれくらいを目安にすればいいかなと思いますね。
ただ、所要時間と言ってもどんな勉強しているのかとか、もともと語学が得意かどうか、効率のいい勉強をしているか、によってかなり変わってきます。
私は全く英語を勉強していないときにいきなり受験してスコア540台だったことがあるのですが、もともと学生時代に勉強していた蓄積があったので、スコア600まではそんなに時間がかからなかったです。時間にすると100時間くらいで到達できたんじゃないかな。
別にこんなことで自慢する気は全くなくて、スコア600台くらいなら大学受験をしっかりやってきた人なら短期間で復帰することは可能だということを言いたいんです。
逆に、学生時代に英語が苦手だったり、受験勉強をハイレベルにこなせなかったという人は、基礎の部分(英単語、文法)を補強する必要がありますから、今あげた所要時間の目安よりも少し時間がかかってしまう可能性もあるという事。
個人の能力差、勉強の質によって、かかる時間はかなり流動的なので、
「仕事忙しいのに400時間も勉強できない」
という感じで絶望しないでくださいね。できるだけ効率よく、自分のペースにあった勉強をすればいいだけなので。
TOEIC600突破までに必要なこと
ということで、スコア600に到達するために、少しでもその所要時間を短くするための工夫が必要になります。
特に社会人で受験するとなると、いかに効率よく勉強するかがカギとなるので、できるだけ非効率な勉強をダラダラやらないように気をつけないといけません。
そこで、最後に「TOEIC600突破」のための基本となる「戦略」について説明していきましょう。
完璧を目指さない!割り切った戦術を取ろう
以前、「TOEICを受験したいけどスコアが500くらいでウロウロしているんですけど、どうしたらいいですか?」と会社の後輩から相談を受けたことがあったのです。
この後輩は一応名門私立大を出ているので、学生時代はしっかり英語をやったはず。それなのに、なんでそんなことになってんのか不思議だったので、いろいろ飲み屋で問いただしてみたところ、主な原因は2つでした。何かというと
・目的なく適当に勉強している
・なぜか完璧主義
ということでした。特に「なぜか完璧主義」というのがポイントで、本人の性格にもよるでしょうが、リスニングでも何でも、内容全て聴きとってやろう、英文を最後まできっちり読んでやろう、と考え過ぎの傾向がありました。
その意気や良しなんですが、試験のことを考えれば、そこにあまり執着すると点数が伸びにくいです。
あまり完璧主義すぎると、TOEICのリスニングなんかでは落とし穴にはまります。TOEICってリスニングでは各問題1回しかアナウンスがないでしょう?1回聞き逃しちゃったら、逆立ちしようが泣き崩れようがもう手遅れ。ここで重要なのは、聴きとれなかったことを後悔することではなく、気持ちの切り替えです。
「もうしゃあない!次や次!」
の精神です。これが完璧主義の人だとうまくやれないことが多い。
とりあえずスコア600を目指すわけです。先ほども言ったように、スコア600は
リスニングで6割強、リーディングで7割前後
正解すればOK。満点を目指す必要はないわけですよ。
ですから、「完璧にやろう」というのではなく
「取れるところだけ取ろう」
という心構えで、試験戦略や勉強のスケジュールを立てていった方が絶対イイです。
弱点から攻めていく
先ほどの後輩の話で「なぜか完璧主義」とならんでスコア伸び悩みの原因となっていたのが
「適当に勉強している」
という点でした。
なんとなく公式問題集やって、なんとなく評判の良さそうなテキストを買ってなんとなくちょっとやったまま放置、そのままなんとなく試験を受験してなんとなく終わるという、「なんとなく」の鬼連打で、本人的にも非常にもやもやした状態だったわけですよ。
やはり勉強、特に試験なんてものは、なんとなくやるものではないです。例えが悪いかもしれませんが、試験はスポーツの試合みたいなもんですから。真剣にやる試合でノープランで挑む人はいないですよね?全くの初心者ならともかく。
TOEICも同じです。スコアを上げるためには目的意識を持った練習、勉強が必要です。これを意識するかしないかで成果に大きな差が出ます。
それで、何を意識しておくべきかというと、これも勉強の王道なんですが
「弱点を補強する」
ということ。リスニングが弱ければリスニング。文法が弱ければ文法。
もっと細かく分析していくとさらにいいですね。例えばリーディングのスピードに問題がある。リスニングではPART3・4よりもPART2のような短いセンテンスの方が不得意だ。といったように、個人個人のピンポイントな弱点に合わせて、その弱点部分から勉強する。これがやはりTOEICでも王道のやり方でしょう。
「TOEIC初心者用 必殺3ステップ」
そのうえで、スコアが500台にすらなかなか届かない、という人のために、とりあえずこの手順でやってみよう、という、
「TOEIC初心者用 必殺3ステップ」
を考えてみました。それは次の通り
2 学生時代に使っていた文法問題集をおさらい
3 時間配分を決めてTOEIC会場に行く
とりあえずこんな感じでチャレンジしてみてください。簡単なことなので、スグに実践できると思います。
まずリスニングを優先させるのは、スコアが勉強量に比例しては上がりやすいということ。それと、単純に勉強が楽しいので飽きにくいという点です。まずは英語の勉強を続ける習慣づけが必要なので、目に見えて手ごたえを感じられる、しかもやってて楽しい「リスニング」から着手するのがいいでしょう。
そして、スコア500未満にありがちな「文法力の弱さ」を、学生時代に使っていた問題集でとりあえず復習です。
なぜ学生時代に使っていた問題集をすすめるかというと、以前使っていたので自分の書き込みや勉強の痕跡もあるし、何よりも昔に勉強した時の情報を覚えているからです。結構いろんなことを思い出せますよ。苦手なところや得意なところもすぐわかるので、結果的に問題集の全部をやり直す手間が省けるというメリットがあります。効率よく学習できるんですよ。
学生時代の問題集とかもうどこいったかわからん、という人は、同じものを買い直してもいいし(意外と大学受験用の教材って何十年と変わらずベストセラーだったりします)、当ブログおすすめの「でる1000」などで、自分の弱点部分だけ問題集をやってみてもいいです。
あと、大学受験用の文法問題集でTOEICもいけるのか、という点ですが、TOEICの文法問題はそれほどクセのあるものはないので、基本的にいけます。英単語集やボキャブラリー集なんかはTOEIC専用の方がおすすめですが、文法に関しては大学受験用のものでもOK。難易度もセンター英語レベルなので、基本事項の復習程度なら問題なく使えますよ。
3つめの「時間配分を決めてTOEICを受けに行け」というのは、TOEICが時間との戦いであることにも関係しています。
あらかじめ「PART7は○○分で解く」といった感じで時間割を決めておくと、問題の割り切りの判断ができるようになってくるので、絶対やっておいた方がいい。時間割を決めることで、時間配分ミスによる総崩れも回避できるし、どういう手順で解答するのが自分にとってベストか、という点などを自分なりに確立できるようになるはずです。
時間配分についてはこちらでも解説していますので、参考にドウゾ。
無理せず地道にやればスコア600はすぐそこ
というとで、今回はTOEICスコア600のレベル、到達までの時間、戦略などについて簡単に説明してみました。
ちゃんとやれば誰でも到達可能なので、試験対策として自分なりにしっかり対策を立ててやっていきましょう。
なんとなく受験するのはもったいないですし、時間とお金の無駄になってしまいますからね。
特に社会人は勉強をつづけることが1番大変なので、できるだけ効率よく作戦を立てて挑戦するのがマジで大切です。
「どうやってTOEICのスコアをあげたらいいのかわからない」
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『TOEIC対策コース パーソナルコーチプラン』
です。
このプランがもっとおすすめな理由は
「パーソナルコーチ」
が専属でつくということ。
時間のない社会人が英語を勉強するのは
物理的にも時間的にも大変。続けるのが英語よりもはるかに難しい(笑)
そこで必要になるのは「学習環境」です。
とくに、自分のことをマンツーマンでみてくれる
コーチの存在は、メチャクチャ大きいです。コーチのつく一般的な英語スクールと比べても、
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