TOEICの結果の見方とその活用法!とりあえずここを押さえておけばOK

TOEIC 成績の見方 TOEIC

TOEICの受験が終わると、ほぼ1カ月後に
TOEIC公式認定証
TOEIC 公式認定証 サンプル

コイツが送られてきます。オンライン上での成績返却に登録している場合は、認定証の返却よりも1日早く成績がみれますね。

ところで、このTOEICの公式認定証なんですが、意外に「どういう風に見ればいいのか」がわかりにくい、という人も多いのではないのでしょうか。

なかにはスコアだけ確認してそのまま封筒に封印したまま、という人もいるかもしれませんね。

でもそれはもったいない。

試験は結果が出てからが勝負どころです!

この公式認定証、見るべきところをちょっと見ておけば、今後の学習の指針にもなってとても役に立つシロモノなので、
せっかくTOEICを受けたのならば有効活用しないと元が取れない(笑)

今回はそんな公式認定証の

「ここだけ押さえておけば有効活用間違いなし」

という点について解説しようと思います。
あわせてTOEICの成績評価などについても少しだけ押さえておきましょう。

公式認定証で見ておくべきところ

まずは公式認定証のサンプルを見てみましょう。
主に3つの部分に分かれています。
TOEIC 公式認定証 説明 

上の顔写真とスコアの表示されたところ、ここは切り離し可能となっていて、公式書類として利用できるようになっている部分ですね。皆さん、とりあえずここを確認すると思います。

それでその下、中間に部分は「Score Descripters」という部分で、なんだかごちゃごちゃいっぱい書いてますね?

ここには得点帯ごとの評価なんかが掲載されています。ただ、ここの部分はほぼテンプレです。

公式認定証とともに返却されてくる黄色い紙があると思うんですが、
TOEIC 黄色い紙

この紙の裏側に
「Score Descripters Table]
という一覧表があります。

TOEIC 公式認定証 黄色い紙の裏

これにほぼ全部書いてあることをプリントしているだけ。つまりここは基本的にスルーでよし。

読んでも「まぁ、その通りですね」みたいなことしか書いてないです。しかも弱点に関しては

レベル別評価の一覧表|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
...

にアクセスしてね、と書いてある始末。一応アクセスはしますけどね?

ま、ここはごちゃごちゃ書いてあるけど重要ではない。

重要なのはその下。なんか棒グラフみたいなのがいっぱい書いてあるところ。

TOEIC アビメ

ここは「Abilities Measured」、通称「アビメ」と呼ばれている部分で、
TOEIC受験生が目の玉を皿のようにして見なければならないところなんです。

ただ、結構見るべきポイントがややこしいので、このあと説明します。

要するに、公式認定証は上の部分下の部分の「アビメ」

これを確認しておけばいいわけです。

では、まず公式認定証の上の部分から見ていきましょう。

スコア部分の見方

TOEIC スコア部分

スコア部分でチェックすべきなのはスコア表示、ではなく
「Parcentile rank」
という、棒グラフの下にチョコっとついている

と、その下についている51とか74とかの数字。

これは簡単に言えば、全受験生のうち、自分より下の成績の人の人の占める割合。

たとえばListeningのスコア380でParcentile rank64ということは、スコア380以下の人が全体の64%、つまりあなたは上位36%ですよー、ということになるわけです。

これの面白いところは、ReadingとListeningが同じくらいのスコアだった場合、ほぼ確実にListeningの方がParcentile rankが低くなること。つまりそれはどういうことかというと、受験生全体としてはListeiningの方が正答率が高い、ということです。

なので、たとえばスコアがListening320でReading320だとすると、リスニングとリーディング、ほぼ同じくらいの力だな、ということではなく、この場合はリスニングの方が弱い、と評価しなければならないのです。このあたりポイントは重要なので、ぜひ押えておきましょう。

あとスコアはね、出たときに一喜一憂して終わり。

試験結果はスコアよりも弱点の解析が命なので、横目でチラ見しながら、次に下の「アビメ」を確認する作業に移ります。

アビメの基本的な見方

TOEIC 公式認定証 サンプル

リスニングパート

ではアビメの見方です。まずはリスニングパート。
ここを見てみると5つの評価部分に分かれていますね。上からアビメに書いてある部分を列挙しておくと

①短い会話、アナウンスナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる。
②長めの会話、アナウンスナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる。
③短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる
④長めの会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる
⑤フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる

この部分はそれぞれ対応部分があって
①⇒PART1・PART2
②⇒PART3・PART4
③⇒PART1・PART2
④⇒PART3・PART4
⑤⇒PART3・PART4の特定の問題

となっています。

まず、ここで整理すべきは、5つの項目の中で
①と③
②と④
が、同じPART部分の評価になっているということ。
この飛び飛びの欄同士でセットになっているということを押えてください。

では、①と③、②と④でどう違うのかというと、
要するに
具体的な情報を解答する問題は③、④
文意や内容を解答させる問題は①、②
ということ。

たとえばPART2を例に出すと、

When will our Internet service be working again?

という設問に対して

By noon.

と答えるような問題(公式問題集3から改題)。

これは「いつまで?」という質問に対して「昼まで」と具体的な情報を応えているだけなので、アビメでいえば
「③短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる」
に対応します。いわゆる、疑問詞をマークしておけばだいたい正答できるような簡単な問題です。

それに対し、こういう場合はどうでしょう。

Did you hear the news about merger?

「合併についての知らせを聞きましたか?」という意味ですね。
それに対する正解が

No. was it annouced?

こういう問題(公式問題集3より引用)だった場合です。
これは文意が通るような回答を選ばなければならないので、単に英語が聞き取れただけでは正解が難しいわけ。
このようなパターンの問題は

①短い会話、アナウンスナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる。

という項目で評価されているのです。この違いは②と④、つまりより長い会話文とアナウンス文の聞き取りであるPART3とPART4でも同様になります。単に文章を聴き取るだけでなく、内容を把握できるかという部分を評価しているのが評価基準の②ということになるわけです。

では最後の⑤はなんだ?ということですが、これは実はPART3で3問、PART4で2問ほど出題されているもので、受験した人ならこういう問題に覚えはないでしょうか。

Q. What does the speaker imply when he says “It wasn’t our decision to have this done today”?
Q. Why does the speaker say, “How could you miss this”?

要するに、「話者は○○と言ってますけど、これってどういう意味ですか?」と問いかけてくる問題。実は新形式後は基本的にPART3で3問、PART4で2問ほど出てきます。

これは完全に会話やアナウンスの内容をつかんでないと正答は厳しい問題で、ここを自信をもって答えられるかどうかで実力差の出るところです。

まだ初心者やスコア500台以下であれば無理するところではないですが、わからなくても一応あがいてはみましょう(笑)。

という感じで、リスニングパートのアビメはだいたいこんな感じです。

リーディングパートでチェックするところ

リーディングパートのアビメはリスニングよりは見やすいです。

まず注目するのは①と②。
これは先ほどのリスニングパートの①と③、②と④と同じような感じになっていて
①文書の中の情報を元に推測できる
というのは、
Q.Why was the e-mail sent?
Q.What was the purpose of the mail?
のように、文章全体の趣旨や内容などを問う問題が該当します。

②文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる
これは、より簡単な問題で、
Q.Where dose Ms.Smith work?
Q.What information does Ms.Yamada want?
のような、具体的な情報を見つけて応えるだけの問題。該当箇所を聴き取れさえすれば正解できるタイプの問題ですね。

そして問題は
③一つの文書の中でまたは複数の文書間で散りばめられた情報を関連付けることができる
ここは受験者ならPART7のいわゆる「マルチ問題」、2つ、3つの文書が出てくる問題のことだと予想がつくと思います。もちろん、その通りなのですが、実はここだけが該当しているわけではないようなんです。

TOEIC受験生が公式問題集の次に必ず買うことになる(?)「究極の模試600問」という問題集があるのですが、この本の著者にしてTOEIC界の大先生の一人、ヒロ前田先生が以前から指摘されているのが、この③には次のような問題も該当しているという説です。それが以下の5項目。

1.PART7のマルチ文書(複数文書)問題
2.PART6、PART7に出現する文位置選択問題
3.PART7のシングル文書で、解答のヒントがあちこちに散らばっている問題
4.質問文に”NOT”という文言が入っている問題
5.PART6の語彙選択問題で文脈から解答を選択するタイプの問題

こう見ていくと、アビメの①の強化版というか、①よりも複雑かつ大量の情報処理が必要となる部分全般のことを指しているんだろうな、という予測はつきます。

ただ、TOEICって採点体系を細かく公表していないので、実際はどういう感じで評価しているのかわからないところが多いです。ですので、一応このあたりが③に該当するんだな、という感じでいいと思います。

ただ、この③、英語の実力がまだまだという人は低い数値が出ることが多いのですが、時間が足らなくなってPART7を解ききれなかった、というケースだとさらに評価が下がってしまう傾向がありますね。

したがって、PART7を解ききったかどうかという点も加味して、評価を見ておかなければいけないでしょう。

④語彙が理解できる
⑤文法が理解できる

はそのまま。この項目で平均を下回っている場合は、単語と文法の強化を行う必要があるということですね。

ここを押さえておこう

というわけで、公式認定証をただの紙ペラにしないための、基本的な見方についてざっと解説してきました。要点をしっかり見て、現時点の弱点をつかんで次回、あるいは今後の英語学習の強化につなげることが、スコアそのものよりも重要だと思います。

スコアはパッと見たらもうそれでええんです(現実から目を背けながら)。

冗談はさておき、最後にチェックポイントを私なりにまとめてみたので、よければ参考にしてください。

●ポイント1
スコアのバーの下のPercentile rankをみて、全体の上位何パーセントに入っているか確認。ここでリーディングとリスニングでの実力のばらつきがわかる。ちなみにPercentile rankの数字がデカいほど優秀ということ。

●ポイント2
次に下のアビメに飛んで、リスニング、リーディングごとに見ていく

●ポイント3
リスニングのアビメは短いフレーズは①と③、長めの会話、アナウンスは②と④で、それぞれ文意を把握しているか、具体的な情報は指摘できているか、という基準で分かれている。⑤は上記の解説参照。

●ポイント4
リーディングのアビメは①と②に段階が分かれていて、さらに複雑な情報処理能力が必要なところは③で評価されているという感じ。④と⑤は語彙力と文法力。

これを総合して、現時点でどこが弱いのかを判断して、弱点部分から学習していく、という感じです。

ただ、実際にはリスニング、リーディングとがちがちに分ける必要はなくて、たとえばリスニングのアビメ②と④で、②が明らかに弱いという場合は、実は「英文読解力」にも問題が発生している可能性が高いです。語学は全体の能力が連動しているものなので、弱点の補強をやりつつ、ある程度バランスよく勉強することも大切かなと思いますね。

という感じで今回はこのへんで。

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