関係代名詞thatの使い方 覚えるポイントをまとめました

関係代名詞 that 英文法

関係代名詞はwhich who whomなどが代表的ですが、この3つ以上に使うことが多いのが
関係代名詞that
です。

実際の英会話や英文ではwhoやwhich以上に多用されるので、その使いどころの見極めが難しいのですが、
基本的な使い方と、使用されるパターンを整理しておけば大丈夫。

今回は意外と学校ではわかりやすく教えてくれない関係代名詞thatに注目して、最低限押さえておきたいポイントをまとめました。

ここにあげたポイントを押さえておけば、受験英語や英会話で迷わなくても済みますよ!

ぜひ参考にしてください。

関係代名詞thatの基本ルール

まずは基本となる使い方を把握しましょう、
関係代名詞thatには、基本的な文法ルールがありますので、まずこれを覚えます。

関係代名詞that 使い方の基本ルール

  • 先行詞が「人」「動物」「モノ」の場合に使う(範囲は広め)
  • 「主格」と「目的格」だけ(「所有格」はない)
  • 前置詞の直後に使うのはNG
  • 非制限用法(カンマ付き)は基本NG

わりと先行詞は何でもよくて、whichやwhomの代わりにバンバン使われている印象です。
(whichでないとダメなパターンは、この基本ルールと合わせて理解しておきましょう。補足説明はこの記事の後半に説明しています)

そして、関係代名詞that最大の特徴は「主格」と「目的格」だけということ。

主格の「that」

I went to the restaurant that is famous in New York.
私はニューヨークで有名だというレストランへ行きました。

The boy that offered an old man her seat in the bus wore a Real Madrid uniform
バスでご老人に席を譲った少年は、レアルマドリードのユニフォームを着ていました。

普通にwhoやwhichと同じように使うことができます。しかもthatの方がカジュアルな感じになるので、実際の使用頻度は圧倒的に多いです。

次に目的格の例文です。

●目的格の「that]

The Car that the President Trump was riding in was stopped by the cheering crouds
トランプ大統領の乗った車は、歓声を上げる群衆によって停止した。

「目的格」の関係代名詞は省略されることが非常に多く、特にthatは会話やニュースのアナウンス、ニュースサイトの記事などでほとんど省略されているのではないかというくらい省略されています。

慣れないうちは大変ですが、目的格の関係代名詞があるな、というのは自然と身についてくるので、最初は頑張って文意をつかんでいきましょう。

そして、「主格」「目的格」とくれば「所有格」ですが、thatには「所有格」としての機能はありません。つまり、whoseの代わりはできないということになります。

(例文)thatは「所有格」の関係代名詞にはなれない

Please send me the magazine【〇whose/×that】 cover is printed the photo of Yuzuru Hanyuu right now.
羽生結弦君の写真を表紙にした雑誌を今すぐ送ってください。

確かに、関係代名詞のthat’sとか、見たことありませんよねw

じゃあ、of which のように of thatならどうかということですが、
これはルール3「前置詞の直後で使ってはいけない」というルールに引っかかります。

of thatとかin that、for thatといった感じで、thatを関係代名詞として使うのはダメ。

(例文)thatは前置詞の直後で使ってはいけない

〇Please send me the magazine the cover of which is printed the photo of Yuzuru Hanyuu.
×Please send me the magazine the cover of that is printed the photo of Yuzuru Hanyuu.

もう1つ例文をあげておきましょう

(例文)

〇This is the “Kofuusou” in which young Hanshin Tigers players live. 
×This is the “Kofuusou” in that young Hanshin Tigers players live. 

ここが阪神タイガースの若手選手が住む「虎風荘」です。

どうしてもthatを使いたい場合は

This is the “Kofuusou” that young Hanshin Tigers players live in.

というように、前置詞を後ろに残しておく必要があります。

要するに「前置詞+that」というかたちはNGということですね。

そして、ルール4は「非制限用法では使えない」

これも重要なルールで、大学受験の文法問題などでは意地悪く聞いてくることがあります。
whichかthatのどちらかを選ばせるような問題ですね。

(例文)thatは非制限用法では使えない

The Japan national team candidate said his condition was very bad, which was not true.

その日本代表候補はコンディションが相当悪いといったが、それは本当のことではなかった。

これも

×The Japan national team candidate said his condition was very bad, that was not true.

という使い方をすることはできません。

実は関係代名詞thatがダメで、関係代名詞whichしか使えないというパターンはこれくらいしかないので、文法問題などでは頻出するトピックとして太古から有名です(笑)

文法ルールとしてぜひ押さえておきたいポイントです。。

関係代名詞thatを使う場合をリストアップ!

thatリストアップ
では基本ルールがわかったところで、関係代名詞thatを使うケースをピックアップしておきましょう。

関係代名詞thatを優先的に使うケース

  • 先行詞が「人+人以外」
  • 先行詞に最上級やfirst,onlyなど「唯一無ニ」要素がある場合
  • 先行詞に「すべて(all)」「ない(no)」など要素がある場合
  • 先行詞がwhoとかwhich
  • 先行詞が人の地位や職業、性格などを示す名詞で、関係詞節中の役割が補語

先行詞が「人+人以外」

(例文)
He has written about the people and things that he takes interest in.
彼は自分の興味のある人々とその事柄について書いている。

上の例文は「主格」の関係代名詞thatですね。

先行詞が
the people + things
といったように「人+モノ以外」が先行詞になっている場合はthatを使うことが多いです。

「人+モノ」は「人と動物」なども含まれます。

(例文)
The car ran over a boy and his dog that were just crossing the street.
車が道路を横切っていた少年と犬をひいた

ちなみに、あくまでも「thatを使うことが多い」というだけで、別にwhichやwhoを使っても問題はありません。
ただ、受験英語の文法問題などではthatが正解ということが多いですね。

先行詞に最上級やfirst,onlyなど「唯一無ニ」要素がある場合

(例文)
This is the hottest summer that we have had in twenty years in Japan.
過去20年の日本でも、今年の夏がもっとも暑い。

先行詞にthe hottestという最上級の形容詞がついています。こういう場合はthatを使うことが多いです。

私は個人的に「唯一無二系の先行詞」と呼んでいますが、最上級のほかにもthe first,the last, the onlyなどがついている場合にもthatを使います。

先行詞に「すべて(all)」「ない(no)」要素がある場合

(例文)
It was the result of all that happened in the match.
それは試合で起こったこと全ての結果だった。

allだけでなくeverythingなどが入っている場合もthatを使いますね。

例文をもう1つ。

(例文)
There was nothing that the players could do in this match.
この試合で選手たちができることは何もありませんでした。

先行詞がnothingなど、「no」要素のあるものが先行詞にあるときもthatです。
「no+名詞」やnobody,それからちょっと系統は違いますがanyなどが入っている場合も関係代名詞はthatを使います。

先行詞がwhoとかwhich

(例文)
Who that witnesses the legendary match can forget the excitement?
その伝説の試合を見た人なら、誰がその興奮を忘れられるというのだろうか

ちょっと文語的で固い文章ですが、先行詞は疑問詞whoなので、関係代名詞を続けるのならthatになります。
単純に、whoを使ってしまうと「Who who witnesses the…」という感じで、Whoの連打になってしまうので、thatを使うということなんですね。

しかし、疑問詞が先行詞の文というのもほとんど見かけないパターンです。。
英語は基本、主語や代名詞が長くなるのは避ける傾向にあるので、こういった使い方は実用的な表現とは言えないからでしょう。

大学受験の英語(しかも10年前くらい)ではたま~に見かけましたが。

先行詞が人の地位や職業、性格などを示す名詞で、関係詞節中の役割が補語

ちょっとややこしいので、例文を見てもらった方が早いと思います。

(例文)
He is not the brilliant player that he used to be.
彼はかつてのような優れた選手ではない。

先行詞はplayerですが、ここは続く関係代名詞節の中では
he used to be players
ということになっていて、先行詞のplayerは文型で言うS+V+CでいうとC、つまり「補語」にあたりますね。

こういう場合はthatを使うことが多いです。

ちなみに「人の地位や職業、性格などを示す名詞」というのは、あくまでもこのケースの先行詞の傾向というべきものなので、ニュアンスだけつかんでおけば大丈夫です。あまり厳密に考える必要はないです。

関係代名詞thatを使う場合の先行詞一覧

ということで、いろいろと説明してきましたが、要するに今からあげる語句が先行詞に含まれていたらthatと覚えておけばOK

先行詞に以下のような語句が含まれている場合はthatを優先

比較級の最上級
only
first
very
every
same
all
no
any
little
much
whoなどの疑問詞
人とモノ(動物含む)

thatとwhichの違いは?

「主格」と「目的格」で使われるwhichはほとんどthatを使っても問題ないのですが、ここまで説明してきたような先行詞がある場合はthatを優先的に使っていきます。
実はthatの方が使用頻度は高いんです。

ただ、thatが使えないケース(今回の記事の最初の部分を参考にしてください)はwhichを使う必要があります。

そのケースというのは「非制限用法」です。

言葉は難しいですが、非制限用法というのは「カンマ付き関係代名詞」のこと。
いわゆる補足説明をする内容です。

(例文)
This PC, which I’ve been using for 5years,stopped working due to malfunction
私が5年間使っていたこのPCなんだが、故障のため動作不良になった。

このような「,which」のようなものを「非制限用法」といいます。
それで、thatはこの用法がNG.

「,that」のような使い方はできないので、この点はしっかり押さえておきましょう。

【おまけ】イジワルな「人を惑わすthat」

trap
ここからはさらに応用編というか、受験英語では有名な「罠問題」として登場する関係代名詞thatの話です。
もうお腹いっぱいという方は読み飛ばしてもらって構いません。

私が予備校講師をしていた時に取り上げる機会の多かった文法問題なんですが、かなり前の立教大学の文法問題をちょっと見てください。

(That)all men are equal is proposition to which, at ordinary times, few individuals have ever given their assent.
【訳】「人類みな平等」ということは、通常時にはほとんどの人が同意したことのない命題である。

わりと読みにくい文章ですw(立教大は伝統的に英語は結構難しい)

問題文は冒頭の赤字のThatを選択する問題なんですが、このthatは果たして接続詞でしょうか、それとも関係代名詞でしょうか?


・・
・・・
・・・・

正解は接続詞のthatです。

判定方法はthatに続くall men are equalが文として完全体だからですね。
ここに不完全な要素があれば関係代名詞と判定できますが、完全な文章なので接続詞とわかります。

でもパッとみると、関係代名詞っぽく登場していますよね。

こんな感じで、「that」は関係代名詞の場合もあれば、「~ということ」という意味の文節を作る「接続詞」である可能性もあるということなんです。

品詞が違うにもかかわらず、「接続詞that」と「関係代名詞that」はすごく似たような感じで出てくることがあるので、中上級以上の方はthat節が出てきた時にはこの2つの可能性について少し意識しておいた方がいいでしょう。

特に文法問題がやたら難しい大学(英語に強い私大や名門私大に多い)や、検定試験の文法対策として押さえておくといいと思います。

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